国家試験【はり師・きゅう師】過去問題

2009年(H21年)第17回 はり師・きゅう師国家試験

東洋医学概論 (問題92〜105)

問92

陰陽の分類について正しい組合せはどれか。

  1. 血 - 陽
  2. 営 - 陰
  3. 津 - 陰
  4. 腹 - 陽
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解答:
2
解説:
×1. 血→陰性の物質
×3. 津→陽性のサラサラとした水分
×4. 腹→陰

解説作成者:岩本 直子 確認者:佐々木 友子

問93

臓腑とその生理作用について正しい組合せはどれか。

  1. 肺  - 治節を主る。 
  2. 心包 - 血を蔵す。
  3. 胆  - 清濁を分別する。
  4. 胃  - 糟粕を伝化する。
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解答:
1
解説:
治節とは全ての脈は肺とつながり、肺がその全ての脈を管理・調節するという意味。

2. 血を蔵すのは肝
3. 清濁を分別するのは小腸
4. 糟粕を伝化するのは大腸

解説作成者:岩本 直子 確認者:佐々木 友子

問94

五行色体に基づく肝の症状で誤っている記述はどれか。

  1. 顔色が青い。
  2. 涙がよく出る。
  3. うなり声が出る。
  4. 爪が変形する。
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解答:
3
解説:
3. うなり声→腎 〔五声:呻〕

解説作成者:岩本 直子 確認者:佐々木 友子

問95

奇恒の腑に属するのはどれか。

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解答:
1
解説:
奇恒の腑は『骨・髄・脳・胆・脈・女子胞』の6つ。奇恒の腑は精や気血を蔵さない。
骨→髄の府、体表から最深部にある。
髄→骨の充、骨格を滋養する。
脳→髄の海、髄の大きなもの、肢体の運動を円滑にし、耳目を聡明にし、長寿を保つ。
胆→中精の府、精汁〔胆汁〕の貯蔵と分泌を行う。(精や気血を蔵さないルールから外れる。)
脈→血の府、営気と血液を中に通し、漏れないようにして全身に行き渡らせる。
女子胞→月経を主る。腎気を受けて機能する。子宮のこと。

解説作成者:岩本 直子 確認者:佐々木 友子

【参考文献】東洋医学概論:第1版第18刷 P.49・50

問96

寒邪の特徴でないのはどれか。

  1. 収斂作用をもつ。
  2. 気血を阻滞する。
  3. 遊走性をもつ。
  4. 陰性の外邪である。
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解答:
3
解説:
3. 遊走性は風邪の特性である。風邪は陽性の邪気。
※ 陽性の邪気:風・暑・燥・火
※ 陰性の邪気:湿・寒

解説作成者:岩本 直子 確認者:佐々木 友子

【参考文献】東洋医学概論:第1版第18刷 P.59・60

問97

病邪と損傷する対象との組合せで正しいのはどれか。

  1. 燥邪 - 血
  2. 火邪 - 気
  3. 湿邪 - 津液
  4. 風邪 - 営気
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解答:
2
解説:
1. 燥邪は津液を損傷しやすい。
3. 湿邪は脾胃を侵しやすい。
4. 風邪は衛気を侵しやすい。

解説作成者:岩本 直子 確認者:佐々木 友子

問98

熱証にみられないのはどれか。

  1. 鼾声
  2. 月経先期
  3. 小便自利
  4. 口渇
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解答:
3
解説:
3. 小便自利→排尿の回数が多く、量の多いもの。1日10回以上。寒証、腎陽虚証などでみられる。

1. 鼾声(びせい)→いびきのこと。いびきは体内に熱が盛んなときにみられる。
2. 月経先期→周期が8・9日以上早まるもの。熱証や気虚証でみられる。熱より血が妄行する。
4. 口渇→口渇して多飲するものは熱証によくみられる。
  熱により、体内の津液が消耗されるので口渇する。

解説作成者:岩本 直子 確認者:佐々木 友子

【参考文献】東洋医学概論:第1版第18刷 P.109~113

問99

四肢の冷え、胸痛、畏寒を示す病証はどれか。

  1. 肝陰虚
  2. 腎陰虚
  3. 心陽虚
  4. 脾陽虚
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解答:
3
解説:
四肢の冷え、畏寒から陽虚証であると判断できる。 胸痛から胸部にある臓と判断できることから本病証は『心陽虚』が適切となる。

解説作成者:岩本 直子 確認者:佐々木 友子

問100

胸苦しさと手掌のほてりを呈する経脈病証の所見で適切でないのはどれか。

  1. 頭痛
  2. 咽の渇き
  3. 腋の腫れ
  4. 前腕の痛み
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解答:
1
解説:
胸苦しさと手掌のほてりを呈することから、心・心包系の経脈病証と考えられる。
心・心包系の経脈病証には頭痛はない。

解説作成者:岩本 直子 確認者:佐々木 友子

問101

八裏の脈はどれか。

  1. 伏脈
  2. 代脈
  3. 緊脈
  4. 短脈
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解答:
1
解説:
八裏の脈=陰脈
沈脈:軽く按じても感じられず、重く按じれば得られる脈(裏証)
緩脈:緊張しておらず、一呼吸に3拍以下の遅で無力な脈(虚:脾胃虚弱。実:湿病)
濇脈:渋脈とともざらざらとして渋滞したような脈(血瘀・血虚)
濡脈:浮にして細軟の脈(湿証・虚証)
遅脈:一呼吸に3拍以下の緩慢な脈(寒証)
伏脈:沈脈より深く、骨につくほど重按して触知できる細い脈(激痛・気厥実証〔ショック状態〕)
微脈:細く小さいために外部に現れない脈(気血両虚)
弱脈:沈細にして無力な脈、強く圧すると消失する(気虚、血虚、実:湿証)

ゴロリズム♪:微弱にチカンされて、伏せたらもれてチーン、ショック!!
       (微)(弱)(遅)(緩)   (伏)  (濡)   (沈)   (濇)

解説作成者:岩本 直子 確認者:佐々木 友子

【参考文献】東洋医学概論:第1版第18刷 P.116~117
      わかりやすい臨床中医診断学:第1版第3刷 P.145~185

問102

右肩関節痛に対して左肩に刺鍼する刺法はどれか。

  1. 遠道刺
  2. 絡刺
  3. 毛刺
  4. 巨刺
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解答:
4
解説:
4. 巨刺:右にある病は左。左にある病は右にとる。

1. 遠道刺:上にある病は下肢(下合穴など)を用いる。
2. 絡刺:絡脈に刺す。(現在の刺絡に相当する。)
3. 毛刺:皮膚のごく浅いところを刺す。

解説作成者:岩本 直子 確認者:佐々木 友子

問103

難経六十九難に基づく腎虚証の治療穴の部位はどれか。

  1. 太谿の上方3寸でアキレス腱の前
  2. 神門の上方1寸5分で尺側手根屈筋腱の橈側
  3. 膝窩横紋の内端で半腱様筋腱と半膜様筋腱の間
  4. 太淵の上方1寸で橈骨動脈の拍動部
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解答:
4
解説:
六十九難には「虚すれば其の母を補い、実すれば其の子を瀉せ」とある。
虚 経 取 穴 実 経 取 穴
木【肝】 曲 泉
木経水穴
陰 谷
水経水穴
木【肝】 行 間
木経火穴
少 府
火経火穴
火【心】 少 衝
火経木穴
大 敦
木経木穴
火【心】 少 海
火経土穴
太 白
土経土穴
土【脾】 大 都
土経火穴
少 府
火経火穴
土【脾】 商 丘
土経金穴
經 渠
金経金穴
金【肺】 太 淵
金経土穴
太 白
土経土穴
金【肺】 尺 沢
金経水穴
陰 谷
水経水穴
水【腎】 復 溜
水経金穴
經 渠
金経金穴
水【腎】 湧 泉
水経木穴
大 敦
木経木穴

解説作成者:岩本 直子 確認者:佐々木 友子

次の文で示す病証について、問題104、問題105の問に答えよ。
「咽喉の閉塞感、怒りっぼい、抑うつ、胸脇苦満」

問104

最も考えられる脈状はどれか。

  1. 濡脈
  2. 弦脈
  3. 濇脈
  4. 結脈
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解答:
2
解説:
「咽喉の閉塞感→梅核気。肝の病証の特徴
怒りっぼい、抑うつ→肝の疏泄機能失調
胸脇苦満→肝・胆の病証でみられる。
以上4つの症状に共通する臓腑は肝で、肝気鬱結した状態である。肝の病証でみられる脈は弦脈である。
弦脈は肝胆病、病証、痰飲でみられる。弾力に富み、琴の弦を按じるような脈

解説作成者:岩本 直子 確認者:佐々木 友子

【参考文献】東洋医学概論:第1版第18刷 P.76・77 P.117

問105

本病証に用いる鍼の補瀉法で適切なのはどれか。

  1. 細い鍼を用いる。
  2. 経穴をよく按じてから刺入する。
  3. 呼気に刺入し、吸気に抜鍼する。
  4. 抜鍼後、鍼孔を指で塞がない。
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解答:
4
解説:
肝気鬱結は肝の疏泄機能を失調しており、肝気が滞ったものである。
滞った肝気は巡らず、余分な肝気になるため、実証としてとれる。

<実証に対する補瀉法>
① 太い鍼を使用する。
② 深く入れて、後に浅く刺す。
③ 経絡に逆らって刺入する。
④ 吸気に刺入し、呼気に抜鍼する。
⑤ 抜鍼後、鍼孔を開ける。

解説作成者:岩本 直子 確認者:佐々木 友子

【参考文献】東洋医学概論:第1版第18刷 P.76 P.147